費用相場・盛土・擁壁などを大解剖!全てが網羅できる「造成」の全知識

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費用相場・盛土・擁壁などを大解剖!全てが網羅できる「造成」の全知識

「造成」について調べている人は、以下のような不安や疑問を解決するために情報収集しています。

あなたも同じような疑問や不安をもっていませんか?

・造成とはどんな工事なの?「更地」や「整地」とは何が違うの?
・土地を造成する時にかかる費用相場を教えて欲しい
・造成で利用する盛土って、何のために必要なの?
・造成の擁壁って、どんなメリットがあるのか知りたい
・土地を駐車場に造成するつもりなのだけど、押さえておくべき知識は何?

上記のような疑問や不安を持っているのに解決しないまま、「造成」に挑戦しようとしてはいけません。

造成に関する知識が圧倒的に足りていないので、このままではあなたが望む結果にならないのでしょう。

せっかく造成に挑戦するのであれば、自分が納得いく金額で、満足いくクオリティになってほしいですよね?

そこで今回の記事では「造成」に関する疑問・不安について、元・不動産業者である筆者が回答していきます。

この記事を読めば、あなたが知っておくべき「造成」に関する知識は、すべて網羅できるとお約束します。

読み終えた時には、

  • 「造成とはどんな工事なのかを更地・整地と比較」
  • 「よくある土地を造成する時にかかる費用相場」
  • 「造成で盛土を利用するなら絶対に知るべき必須知識」
  • 「造成で利用することになる擁壁の必須知識」
  • 「駐車場に造成する際の必須知識」

についてしっかりと理解できていることでしょう。ぜひ最後までご覧ください。

※造成をする前に売却した時の相場を知ってから判断するのが賢いです。
目次

造成とはどんな工事なのかを更地・整地と比較

まず紹介するのは「造成とはどんな工事なのかを更地・整地と比較」です。

まずは同一視されやすい「造成」と「整地」と「更地」の相違点について紹介していきましょう。

「建物が建てられる土地にする」という見方からネットや書籍、あるいは業者からの説明を受けることになるでしょう。

3つとも一般的には同じ意味として取扱われることが多いですが、「造成」と「整地」と「更地」の定義は全然違います。

「造成」は更地・整地と何が違うのか

造成とは「宅地造成規制法」という法律に基づいて実施される「申請を伴う工事行為」です。

造成して「分譲地」として販売したりという、規模の大きい建築地を作り出すための工事を造成といいます。

つまり真の意味での「造成」とは個人が行えるような工事規模ではなく、大型工事専門の業者等が実施する行為なのです。

「整地」と造成は何が違うのか

整地とはデコボコで家屋を建てることができない土地をフラットな状態する工事のことです。

造成と違う点は「規模」です。造成は分譲地作成など大型工事ですが、整地は個人の住宅のための工事になります。

そのため工事規模は比較的小さく、コンクリート・石・木クズ・ガラスなどを人力で壊していく作業になるでしょう。

野球グラウンドの整備で使う「トンボ」を掛けたり、ホウキで掃いたりと小規模の行為が多いのが特徴です。

それらの作業が終われば、重機で踏んで固める「転圧作業」を行い、「整地」は終了となります。

「更地」と造成は何が違うのか

更地とは住居や建築物などがない「まっさらな土地」のことを指す「言葉」です。

あくまでも土地の状態を意味する「言葉」なので、造成とはそもそもの定義が違います。

使い方としては「造成して更地になった」「整地して更地にする」といった表現の方が正しいです。

本来の意味とは違うが「造成は宅地にすること」と覚える

同一視されやすい「造成」と「整地」と「更地」の違いについて、ピックアップしてきました。

説明したように本来の意味は異なりますが、3つとも同じ意味として扱われることは本当に多いです。

書籍やネット記事はもちろんのこと、業者ですら一緒くたにして使うので注意が必要です。

ただ意味合いとしては「住宅が建てられる土地(=宅地)にする」として使われているのは間違いありません。

実際の定義は違いますが、どこかでこれらの言葉を見たら「宅地にする」という観点で捉えるようにしてください。

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よくある土地を造成する時にかかる費用相場

前章でもお伝えしたとおり、土地の造成とは「宅地」として活用可能な状態にするための工事です。

造成工事は時と場合によって色々な工事が行われますが、一般的なケースは決まっています。

具体的には「整地」「盛土」「土止め」「伐採・抜根」「地盤改良」が料金としてプラスされるでしょう。

前章でも解説した「整地」は凹凸がある地面を建築のための工事のことです。

また「盛土」とは土地と接する土地より低い場所を、土砂で一杯にして地上げする工事です。

盛り土は非常に奥深い工事になるので、詳しくは次章以降で解説していきます。

そして「土止め」ですが、土手などを設けて、埋め込んだ土が崩されるのを防ぐための工事です。

また「伐採・抜根」は草木を抜いたり除草したりする作業で、「地盤改良」は柔らかい地盤を堅く丈夫にする工事です。

いずれの工事費用も業者によってピンキリですが、都道府県別に一般的な相場がある程度決定しています。

次項以降で各地域の費用相場(面積1平方メートル当たり)を解説していきますが、一つ注意点があります。

それは今回紹介する相場金額は平坦地に該当する額面になる、ということです。

傾斜地や山林になると、別途費用が加算されるので注意が必要です。

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東日本の造成費用相場

様々なインフラやビジネスでは、西日本や東日本をわけて考えられることが多いですが、造成も同じです。

東日本と西日本で造成費用相場が異なる傾向が見られ、さらには各国税局の管轄によっても相場が変わります。

まずは東日本でどんな金額相場になるか、紹介していきましょう。

ちなみに東日本にある国税局は以下の通りになっています。

東日本にある6つの国税局

  1. 札幌国税局
  2. 仙台国税局
  3. 関東信越国税局
  4. 東京国税局
  5. 金沢国税局
  6. 名古屋国税局

札幌国税局エリアの造成費用

札幌国税局エリアの管轄は、北海道が対象で以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 400円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 400円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,200円(1平方メートルあたり)
盛土費用 3,700円(1平方メートルあたり)
土止費 36,500円(1平方メートルあたり)

仙台国税局エリアの造成費用

仙台国税局エリアは、青森県・秋田県・岩手県・山形県・宮城県・福島県が対象で以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 500円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 600円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,300円(1平方メートルあたり)
盛土費用 4,600円(1平方メートルあたり)
土止費 49,600円(1平方メートルあたり)

関東信越国税局エリアの造成費用

関東信越国税局エリアは、茨城県・栃木県・群馬県・長野県・埼玉県・新潟県が対象で以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 500円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 800円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,300円(1平方メートルあたり)
盛土費用 4,100円(1平方メートルあたり)
土止費 43,600円(1平方メートルあたり)

東京国税局エリアの造成費用

東京国税局エリアは、東京都・千葉県・神奈川県・山梨県が対象で以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 500円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 600円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,300円(1平方メートルあたり)
盛土費用 4,200円(1平方メートルあたり)
土止費 46,500円(1平方メートルあたり)

金沢国税局エリアの造成費用

金沢国税局エリアは、富山県・石川県・福井県が対象で以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 400円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 600円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,300円(1平方メートルあたり)
盛土費用 4,000円(1平方メートルあたり)
土止費 43,900円(1平方メートルあたり)

名古屋国税局エリアの造成費用

名古屋国税局エリアは、愛知県・岐阜県・静岡県・三重県が対象で以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 500円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 600円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,300円(1平方メートルあたり)
盛土費用 4,100円(1平方メートルあたり)
土止費 44,400円(1平方メートルあたり)

西日本の造成費用相場

続いて西日本でどのような金額になるかについて見ていきましょう。

東日本とおなじく地域を管轄する国税局別に造成の費用相場が変わってきます。

西日本にある国税局は、以下の通りになっています。

西日本にある6つの国税局

  1. 大阪国税局
  2. 広島国税局
  3. 高島国税局
  4. 福岡国税局
  5. 熊本国税局
  6. 沖縄国税事務所

大阪国税局エリアの造成費用

大阪国税局エリアは、大阪府・奈良県・和歌山県・滋賀県・京都府が対象で、以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 500円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 600円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,300円(1平方メートルあたり)
盛土費用 4,000円(1平方メートルあたり)
土止費 44,500円(1平方メートルあたり)

広島国税局エリアの造成費用

広島国税局エリアは、鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県が対象で、以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 400円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 400円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,200円(1平方メートルあたり)
盛土費用 3,900円(1平方メートルあたり)
土止費 41,700円(1平方メートルあたり)

高島国税局エリアの造成費用

高島国税局エリアは、徳島県・香川県・愛媛県・高知県が対象で、以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 400円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 600円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,200円(1平方メートルあたり)
盛土費用 4,000円(1平方メートルあたり)
土止費 35,800円(1平方メートルあたり)

福岡国税局エリアの造成費用

福岡国税局エリアは、福岡県・佐賀県・長崎県が対象で、以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 400円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 500円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,200円(1平方メートルあたり)
盛土費用 3,900円(1平方メートルあたり)
土止費 39,600円(1平方メートルあたり)

熊本国税局エリアの造成費用

熊本国税局エリアは、熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県が対象で、以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 400円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 500円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,200円(1平方メートルあたり)
盛土費用 3,900円(1平方メートルあたり)
土止費 39,600円(1平方メートルあたり)

沖縄国税事務所エリアの造成費用

沖縄国税事務所エリアは、沖縄件だけが対象で、以下のような費用相場になっています。

工事内容 金額
整地費用 400円(1平方メートルあたり)
伐採・抜根費用 600円(1平方メートルあたり)
地盤改良費用 1,300円(1平方メートルあたり)
盛土費用 4,300円(1平方メートルあたり)
土止費 41,500円(1平方メートルあたり)

ちなみに建物建築のために造成する場合、これらの費用以外に「地鎮祭」などの費用がかかるので注意が必要です。

造成で盛土を利用するなら絶対に知るべき必須知識

前章でもちらっとでてきた「盛土(もりど)」は、土などを取り込んで地盤を高くすることです。

なぜ土地を造成するうえで、盛土を実施する必要があるのでしょうか。

盛土をする最大のアドバンテージは、「地盤が高くなる」と言っても過言ではないでしょう。

実際に盛土は地盤が低いせいで水害がでそうな場所(河川や海岸周辺)などで、家を建築する場合に検討されます。

思いもよらなかった水害(浸水被害)にも耐えうることができるというのがメリットなのです。

ただし「揺れ」に弱いという弱点があるため、地震に弱いというマイナスポイントがあるのを忘れてはいけません。

大地震を耐えることはできない可能性大ですが、集中豪雨などで水が満ち溢れる事を防ぐことが出来るのが盛土なのです。

仮に50センチの盛土をしたとしましょう。ベースに50センチ追加されるので、床上まで1メートルになります。

そのため1メートルの浸水まで無傷でいられることになり、路地が膝上までの浸水でも安心・安全に生活できます。

膝上まで浸水という相当規模の水害が現れた場合でも、ある程度の水害なら防ぐことが可能になるのです。

また盛土によって住居までの高さが上がるわけですから、家や庭が高い位置にあがります。

そのおかげで道路上からの視線を気にしなくてすむなどの効果が得られるという点もあります。

盛土で造成をするなら強度に気をつける

盛土の安全性を上げるには、盛り込んだ土がこぼれないようにブロック(土留)などを積みあげる必要があります。

ブロックは盛土をするエリア全体を囲うようにしなければいけないので、相当な範囲になるでしょう。

さらにブロックには鉄筋などを取り入れて、土の圧力に持ち堪えうるものにするので相当な金額がかかります。

実は盛土のために設置するブロックこそが、前章でも紹介した「土止費」です。別名「擁壁」ともいいます。

前章の表を見たとき「なんでこれだけこんなに高いの?」と思った人も多いと思います。

「なぜ高いのか」という理由が、今ハッキリとお分かりいただけたのではないでしょうか。

ちなみに擁壁については、次章にて詳しく紹介していきます。

盛土で造成した土地は安全なのか

傾斜地の造成方法には、「切り土」と「盛り土」の2つの方法が代表的です。

切土は固い岩盤を削り取ってそのまま使う方法で、盛土は盛り土は新しい土を埋め込む方法です。

埋め込んだ部分が柔らかくなり、揺れで地すべりしたり、液状化するなどの被害が出る懸念があります。

土には数々の種類がありますが、多くの土はたった一度でも掘り返してしまうと軟弱になってしまうのです。

盛土を利用する造成は許可がいる

盛土による造成は適切に実践されなければ、災害時に家屋はもちろん、住民にも災害を及ぼしてしまいます。

絶対に下手な工事をしてもらっては困るため、都道府県知事からの許可が必要になるのです。

造成するなら切土と盛土どちらが安全なのか

とくに山地や丘陵地を造成した宅地は、盛土と切土、どちらを採用したかで安全性が全然違います。

見た目は遜色ないですし、金額も大差ないのですが、造成後の安全性という意味では全然違います。

実は切り土の方が安全なのです。山地や丘陵地は、本来の地盤がよいため、切土した部分は極めてよい地盤になります。

しかし盛土部分は災害においては、軟弱になった土を使うので、非常に弱いスポットになるのです。

東日本大震災・阪神淡路大震災はもちろんのこと、その他の地震でも盛土には沈下や崩壊が多く見られました。

また地震だけでなく土砂降りの時にも、前触れなく沈下や崩壊がもたらされることがあります。

40年以上前に盛土で造成した土地は要注意

散々「盛土は切り土よりも安全ではない」といって来ましたが、現在ではそうではありません。

東日本大震災などの事例を参考にして、安全な盛土に対する理解・研究が進められています。

しかしどうしても40年以上も前に盛土で造成された部分は、やはり危険が伴います。

当時は高度経済成長のタイミングだったので、スケールの大きい宅地造成が次々と行われたものです。

しかしまだ造成のための技術基準・規制が未熟で、今よりも整備されていませんでした。

当然、設計や施工の甘いので、地盤の陥没、沈下、破壊など、粗悪な造成地が次々と生み出されたのです。

当時に作られた盛土は、阪神淡路大震災や東日本大震災でことごとく崩壊しています。

それらの事例を受けて法律は整備され、さらに強固な盛土を作るように変化しました。

すべての土地が該当するわけではないですが、基準以前の宅地は危ないのは確かなので注意しなければいけません。

造成で利用することになる擁壁の必須知識

前章でも「土止費」として紹介した「擁壁」とは、崖や盛土の側面に異常が出るのを防ぐために建築する壁のことです。

造成の現場では、土壌の安息角を超えるスケールの大きい高低差がでることがどうしても起こりえます。

土壌の横圧に逆らって斜面の崩壊をブロックするために、設計・組み立てられる壁状の構造物が「擁壁」なのです。

ちなみに安息角とは土を築き上げたときに、時間とともに壊れることなく安定を保つ斜面の限界角度のことです。

シンプルにいえば、埋めた土が勝手に滑り出さないための限界角度と考えるといいでしょう。

造成における擁壁があるメリット

擁壁施工は土地に高低さがある場合、または盛土の崩壊を防ぐおそれがある場合に、斜面を安定させるために行います。

擁壁は壁状の構造物であり、コンクリートやブロックで作成され、結果的に土砂崩れなどの災害から住まいを防護します。

造成における擁壁には許可がいる

擁壁の設置義務があるのは、「宅地造成等規制法」の区域内で、高さ1m以上の盛土を行うケースです。

その他の区域は建築基準法によれば、盛土の状況には左右されずに壁高2m以上の場合に設置する決まりになっています。

つまり「宅地造成等規制法」の区域外であれば、高さ2mに至るまでの擁壁なら自由に造れるのです。

また、擁壁の設置に関して技術的な決まりがあるのを忘れてはいけません。

実は「宅地造成等規制法施行令」の第6条にて、擁壁制作における技術的な決まりが設定されています。

宅地造成等規制法の範囲以外となる地域においても、これに適した指導が行なわれているケースが多いです。

ただし自治体の条例などにより、まったく違う技術基準が設定されている場合もあるので、気を付けなければいけません。

自分の土地の技術的基準が知りたいのであれば、最寄りの役所の土木課で聞いてみてください。

造成における擁壁は複数の種類がある

何度もお伝えしていますが、擁壁施工は盛り土で出来た斜面の崩壊や防ぐことを目的として備えられるものです。

結果として、雨などによってもたらされる土砂崩れを防止することが可能となります。

さらに擁壁を設置することによって、建物や私たちの身の保安性を守ることができます。

擁壁にはいくつかの種類があり「コンクリート製擁壁」「石積み擁壁」などから選ぶことになるでしょう。

昨今では大抵のケースで、コンクリート擁壁が多く用いられます。

コンクリート擁壁を採用するのであれば、さらに「逆T型」「L型」「逆L型」等から選択してください。

「逆T型」「L型」「逆L型」は、あなたの土地の施工条件によりフィットしたものを決定するようになるでしょう。

例えば「逆T型」は、隣地との境界にゆとりがある敷地での利用に向いています。

コンクリート擁壁で造成するなら「工法」に要注意

コンクリート擁壁には種類だけでなく、工法も複数種類があるので注意が必要です。

「現場打ちコンクリート」と呼ばれる方法と「プレキャスト擁壁」と呼称される方法の2パターンがあります。

「現場打ちコンクリート」は、盛り土が完成でき次第、その場で生コンクリート打設を行なってしまう工法です。

盛り土にあわせてコンクリをつけていくので、複雑な形状にも加工できるというメリットがあります。

ただし、施工期間がかなりかかるのが弱点であり、早く造成を終わらせたいという人には不向きです。

一方、「プレキャスト擁壁」は一度専用の作業場でブロック状に製作された擁壁を施工していく工法です。

良質な製品を事前に用意しているので、施工期間が少なくてすむというアドバンテージがあります。

ただし、事前に作った擁壁なので形状に対して、柔軟に対応できないという弱点もあるので要注意です。

選択の基準としては、設置する場所の地形や、希望する施工期間で選ぶといいでしょう。

また土質などのコンディションによっても、工法が強制的にセレクトされることもあるので注意してください。

適切な工法で施工を実行するためにも、施工実績のある優良業者に依頼すると安心ですよ。

ちなみにコンクリート擁壁にクラック(割れ目)が発生した場合は、隙間を埋める補修作業をします。

もし地盤沈下が現れた場合には、地盤を固めるための薬剤を投入するなどの処置を実行することになるでしょう。

造成のために作った擁壁は経年劣化する

どんなに頑丈に構築された擁壁でも、永久に機能を保持し続けることは不可能です。

数十年経つうちに劣化は進展していき、そのうちに亀裂が生じてしまいます。

今後長きにわたって使う家屋を建てるのであれば、建築後も注意して擁壁の状態を確認しつづけていく必要があります。

しかし比較的新しい擁壁でもクラックやひび割れが出現している場合があるので、注意しなければいけません。

つまり、経年劣化だけに注意しなければいけないわけでもなく、完成して間もないタイミングでも注意が必要なのです。

「ウチの擁壁は作ったばかりだから大丈夫」というわけではないので、気をつけてください。

また擁壁の亀裂や割れ目をうまくメンテできたとしても、完璧な補修でなければ根本的な解決には結び付きません。

完全に補修するのであれば擁壁の高さや面積にも左右されますが、工事費用が百万円以上になる場合もあります。

早いタイミングで造成時に作った擁壁に問題が出た時の対処法

もし擁壁を作ったばかりのタイミングで擁壁に問題がでたなら、明らかに施工ミスです。

施工会社に責任問題が問うべきです。最悪の場合、訴訟問題にはなりますが、泣き寝入りするよりマシでしょう。

早い段階での擁壁の異常を発見するため、施工後は「表面」「材質」「水抜穴」を確認してください。

割れ目や亀裂が生じていないか、排水にも違和感がないかチェックしましょう。

亀裂もなく排水の様子に問題が確認できないのであれば、安全面での心配はないので安心してください。

造成における擁壁の施工にかかる費用と補修

前章でも紹介しましたが、造成のための擁壁の施工にかかる費用は1平方メートルあたり3~4万円が相場です。

ただし擁壁施工やの費用は、採用している種類や施工方法などを通じて違いが出てくるので要注意です。

またの土地の状況や、土地までの道のりなどの様々な事情によっても異なってきます。

さらに施工面積や擁壁の大きさ、施工場所、施工条件などでプラスされる費用もあるので注意してください。

造成で作った擁壁の補修

劣化や強度不足に陥ってしまった擁壁の機能を改善する場合、どうなるのでしょうか。

その場合、すでにある擁壁を取り壊して一から構築しなおすか、既設の擁壁を補修する方法から選ぶことになります。

前者の方法では取り壊しコストや運搬処分費が発生するので、施工スパンが長くなってしまう問題があります。

一方、後者の方法では施工コストだけで工期も短く完了することから、費用をおさえることが可能になります。

しかし前述したように完全に補修するためには、新品の擁壁を作るレベルのコストがかかるので覚悟しましょう。

また擁壁の補修時には掘削工事が必要となります。

掘削により発生した土をすぐに処理することができる環境なら、処分費や輸送コストはかかりません。

しかしすぐに処理できるシチュエーションなんて早々ないですから、別途費用が発生するのが大半です。

また前述した通り、2メートル以上の擁壁を構築する際には、行政への申請が必要で、申請には費用がかかります。

自分の自治体の申請費用が知りたい人は、役所の土木課に問いあわせてみてください。

造成で作った擁壁を補修するなら助成金をうまく使う

擁壁の補修は、斜面の土砂崩れ防止対策工事になります。

このような工事に対しては、助成金を設けている自治体もあります。

対象となる条件など色々と規定されていますが、許可された場合は助成金で擁壁施工を実施できますよ。

助成金をうまく活用したい人は、ぜひお住まいの自治体のホームページをチェックしてみてください。

駐車場に造成する際の必須知識

造成の目的は「建物」だけではありません。「駐車場」のために造成することもあります。

この章では土地を駐車場にするための、造成方法の特徴と費用などについて解説します。

駐車場に造成するのは一般の造成と少し違う

土地を駐車場に造成するとき、これまで説明してきた造成工事を行った後の追加工事として実施します。

つまりは「宅地のための造成」→「建物完成」→「駐車場にするための造成」という流れになるでしょう。

そのためこれまで説明してきた造成工事にかかる費用にあわせて、新たなる工事と費用が必要になるのです。

土のまま駐車場として用いてしまうと、道路を泥だらけにしてしまうなど近隣住民の方にも迷惑をかけます。

そこでそのまま駐車することなく、それ相応の方法で駐車スペースを造成しなければならないのです。

その際、主に採用される造成方法が「砂利」「アスファルト」「コンクリート」の3種類です。

また今回は駐車場1台分を、一般的なサイズである12.5平方メートルで計算しているので注意してください。

ちなみに今回ピックアップしているのは「個人の家の駐車場造成」です。

しかし中にはビジネスとして、空き地を駐車場造成したい人もいるでしょう。

つまりは「宅地のための造成」をすっぽかして、いきなり「駐車場のための造成」にしたい人がいるはずです。

そのような希望を持っている人にとっては、残念ながら今回の記事内容はあまり役に立てません。

あなたが求めている「ビジネス向きの駐車場知識」が、ばっちりと把握できることでしょう。

では前置きはここまでにして、さっそく次項より、駐車場に造成する際に発生する費用について解説していきます。

「砂利」で駐車場を造成する場合の費用

砂利で駐車場を造成するなら費用は約4万円発生します。

これはメートル単位ではなく、1台分のスペースにかかる金額です。

砂利で造成するのは、造成方法としては最もリーズナブルになります。

リーズナブルなうえに、施工した当日から駐車が実現可能です。

しかし車のタイヤが通る場所に溝ができやすく、雨の日に砂利が流出してしまう恐れがあるのも否めません。

また砂利が劣化してくると、砂ぼこりが舞いやすいというマイナスポイントもあります。

「アスファルト」で駐車場を造成する場合の費用

アスファルトで駐車場を造成すると、費用は1台分のスペースで約15万円発生します。

アスファルトはシャープに施工でき、施工したそのタイミングから駐車することもできます。

しかし、ビジュアル性に乏しい点や、古くなると表層がはがれやすい点に注意です。

また、外装専門の業者ではアスファルトを取り扱うことができない場合もあるので、よくチェックするようにしましょう。

「コンクリート」で駐車場を造成する場合の費用

コンクリートで駐車場を造成すると、費用は1台分のスペースで約20万円発生するでしょう。

コンクリートは美しく施工でき、デザインの選択肢も膨大なため、一般住宅の駐車場で最も採用される方法です。

表面がフラットなので、仮に汚れても水で洗い落としさえすればいいので清掃が簡単です。

ただし造成方法としては最も高いのが問題です。そのうえ施工後の数日間は乾燥のために駐車できないのも欠点でしょう。

ちなみに駐車場と同じく特殊な造成を求められるのが、「田んぼ」の造成です。

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まとめ

「造成」をテーマとして、様々な知識を解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

紹介した知識さえ押さえておけば、「造成」に関する知識は、すべて網羅できているのでご安心を。

今後、造成する機会があるなら、今回紹介した知識をぜひ参考にしてみてください。

目次